京都旅行記を書こうと思う。
東西線東山駅下車から徒歩3分、平安神宮と知恩院が有名な神宮通沿いに、「青のお寺」がある。
正式名称は青蓮院門跡。平安時代に一流の絵師が命がけで製作したという国宝・青不動明王像、現代作家・木村英輝が描いた鮮やかな蓮の襖絵が有名である。
遥か昔から現代まで日本の芸術を育てたこの寺は、とても静かだが強さを秘めた「青」に溢れていた。
上の写真は襖絵。泥の中から美しい花を咲かせる蓮は悟りを意味し、極楽浄土を表現している。アクリル絵の具を使った鮮やかな色使いが目を引くが、不思議と心が静かになる空間だった。
私は誠に勝手ながら、この寺を「青のお寺」と名付けさせていただいた。そして、あまりにも居心地がよいので1時間以上も静かに座っていた。
その時にふと感じた。「これから先、辛いことがあったら、青のお寺を訪れよう。心の中で。そうすれば、乱れた心もととのうだろう」、と。
緊張したり怒りにとらわれてしまった時は襖絵の前に座っている自分を想像しよう。きっと心が安らかになる。
己の弱さに負けてしまいそうな時は青不動明王像の姿を想像しよう。きっと弱さにうち勝つ勇気を与えてくれる。
たまたまふと訪れた青のお寺。心の拠り所に出会ったように感じた。大切な存在に出会う瞬間は、「たまたま、ふと」が多くて、そういうものなのだろうなと思う。
また必ず訪れよう。